さて、科学的な流れに疎い自分ですら昨今はビッグバンは宇宙の始まりじゃないんじゃね?という動きがあるのは知っているわけで。
もともと、現在のビッグ・バン-インフレーションのモデルはビッグバンから少し後~現在についてを説明するモデルなだけで、ビッグ・バンの前はどうなっていたのか基礎になっている理論では判らない、という代物だったと記憶している。
サイクリックモデルでも、ビッグ・バンは起きる。でもインフレーションは起きない。
なので、本文の中で否定されているのは『インフレーション』の部分だけで、ビッグ・バンはそれこそ周期的に何度も起きる…とされている。
何故周期的に起きるのか、というのはプレーン間にそういう力が働くと仮定してあるから、なのだそうだが。
著者が本文内で書いているが、あくまでもそういう力があるとしたら、と仮定すると導かれる説なのだそうで、プレーン間に働き周期的にビッグ・バンを起こさせる力がなければ成り立たない説なんだそうな。
以前、ひも理論というか超ひも理論というかM理論というか、なんとも言いがたい本で見たのだが、優れた理論というものは数式が少ないのだそうだ。代表例が一般相対性理論だとか。この点でM理論の素晴らしいところは、理論を示す数式がただの一本もないことだ、と。
サイクリック宇宙モデルはM理論に基づくモデルなんだそうです。
別な宇宙関係の本、そちらはビッグ・バンモデルのものだが、その中でインフレーションは初期宇宙で空間が加熱されると自然発生的に起こって冷却させると終息する、というのを読んだことがある。
【サイクリック宇宙論】の中ではどこから出て来たのかわからないインフレーションエネルギーを嫌っていたわけだが、個人的には別にサイクル宇宙の中でインフレーションが起きていても良いんじゃないの?と思うわけなのだが…。
【サイクリック宇宙論】は宇宙はプレーン間の衝突により発生するビッグ・バン-ビッグ・クランチ-ビッグ・バンの繰り返しでできている…という若いモデルについての本。
多宇宙説の一つであり、反復宇宙説でもあるが、同時に過去反復宇宙説が葬られた欠点は持っておらずビッグ・クランチが起きるといっても三次元空間自体は膨張を続け収縮するのは余剰次元だけ…と言われても非常にイメージがし辛い説であるが、プレーン理論が正しいのなら面白いモデルではないか、と思う。
我々の宇宙が何プレーンの上にあると仮定されているのかどこにも書いていなかったけれど。
観測の精度が上がれば観測結果からこのモデル(とインフレーションモデル)が間違っているかどうかの判定がでるそうなのだが、これといった話題を見ていないので…見逃している可能性も大いにあるが、まだ観測中なのだろう。
「宇宙の始まり」について興味があるなら読んでみるのも良いかもしれない本。
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